クウニャン・ダイアリー② 猫笛

👤①

あれは、クウがいなくなった夜だった。

あまりうるさく騒ぐから、ママサンが家の前のフェンスにリードをつないであげたが、気がつくとひもが解けて、いなくなっていた。

「おなかか空いたら、帰ってくるって」

最初は楽観的に思っていたが、2日たっても3日経っても帰ってこなかった。　

付近で鈴の音はおろか気配が一切なく張り紙の効果もなかった。

それから我が家は、カゾクが一人いなくなったような感じだった。