悪夢の後

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「…う…ううっ…」 気が付くと、そこは病院のベットの上だった。 「‥…!!看護士さん!!先生!!早く来てください!!佑ちゃんが…佑ちゃんが目を覚ましました!!」 嬉々とした由香の声が病室に響き渡る。 その声に反応したかの様に、数人の足音がして誰かが病室に入って来た。 俺を覗き込む顔、顔、顔。 「安藤さ~ん?わかりますか?わかるならゆっくり頷いてくださ~い?」 亡くなった祖父によく似た医師が俺に話し掛ける。 俺は、ゆっくりと頷いた。 そんな俺を見て、医師は 「良かったですね!もう安心です。峠は越えました。」 と、周りに居る家族や由香に笑顔でそう言った。 辺りから洩れる安堵の溜息や泣き声。 泣いているのは、俺の母親と由香だった。 「…心配したんだぞ。…この馬鹿息子!!」 いつもは寡黙な父が、声を詰まらせながらそう言って俺の頭を撫でた。 兄と弟も、そして秋岡も、皆が嬉し泣きをしている。 俺はそれを見ながら、亡くなった祖父の言っていた事を思い出していた。 「皆がお前を待っている。」 そうだよな…じいちゃん。 皆が俺を待っててくれたんだよな。 我儘言って困らせてごめんな…じいちゃん。
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