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「えっ!?」
思わず出てしまった俺の大声に、久徳と由香がビックリした顔で俺を見た。
それを見た秋岡が、慌てて
「いや~!そんなに驚かなくても!俺だってやる時はやる奴なんだぜ?だから、契約取れたんだし…」
といかにも仕事の話の様に取り繕ろう。
そんな俺達を驚いた顔で見ていた由香は
「あ、お花が元気なくなるといけないから、花瓶に生けてくるね!」
と言い、久徳に軽く会釈をすると窓際のテーブルに置いてある花瓶を持ち病室を後にした。
すると、秋岡は再度俺の耳元で
「いいか?俺達は帰るから、ちゃんと由香ちゃんに告れよ!後で確認するからな?」
と囁き、親指をグッと立ててウィンクをした。
おい、秋岡くん。君は本当は何才なんだ?と思わせる様なリアクションを残し、久徳に
「さ、お邪魔虫の俺達は帰るとしますか?」
と言うと、不思議顔の久徳を引っ張り病室を出る。
そして扉を閉める瞬間、顔だけを俺に見せ
「健闘を祈る!!」
と言う捨て台詞と、ニヤリと笑った笑顔を残し去って行った。
俺は思わず、その秋岡の顔に枕を投げ付けたい衝動に駆られたが、敢えて我慢した。
確かに良いタイミングかもしれない。
俺は覚悟を決めた。
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