本当の恐怖

4/12
前へ
/225ページ
次へ
次の日、俺は昼食を終え、する事もなくベットに横たわり窓の外を眺めていた。 すると、ノックも無しにいきなり誰かが病室に入って来る。 「よっ!昨日の作戦、上手く行ったかどうか聞きに来てやったぞ!」 秋岡だった。 (昨日の作戦って…作戦らしい作戦じゃなかった様な…) 俺は内心そう思いつつも、あの時、秋岡に背中を押されなければ、由香に告白なんて出来なかったと思い直し 「…あぁ。お前のお陰でちゃんと告白したよ。ありがとな!」 と礼を言った。 すると、秋岡は興味津々な表情で俺に近寄ると 「…で?由香ちゃんは何だって?ま、答えはわかるけどな!安心しろ、安藤。女は由香ちゃんだけじゃない!何なら退院する時に、俺様が合コン…」 「OK貰ったよ。」 得意げに喋り続ける秋岡の言葉を遮り、そう言う俺。 「…えっ?…えええっ!?本当に?冗談じゃなく本当の本当!?」 秋岡は心底驚いた様子で、何度も俺に尋ねる。 そんな秋岡に、俺は苦笑しながら 「だぁ~っ!もう五月蝿い!本当だよ!今度由香に会ったら聞いてみろ!」 と答えた。
/225ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10178人が本棚に入れています
本棚に追加