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すると、秋岡はニヤニヤしながら
「へぇ~!そうか~!しかし、由香ちゃんもお前の何処に惚れたんだろうね?もしかして由香ちゃん目が悪いのか?なんなら俺が良い眼科を…」
そんな事をほざいている秋岡の顔面めがけ、俺は枕を投げ付けてやった。
それからの毎日は、俺にとってとても幸せだった。
毎日献身的に病院に通い、身の回りの事をしてくれる由香。
それに応える様に、俺はリハビリを頑張った。
その頑張りは、主治医も目を見張る程だった。
そして2ヵ月後…
俺はようやく退院する迄に漕ぎ付けた。
退院前日、久徳刑事が見舞いに来て、由紀の様子を語ってくれた。
どうやら、今だに現実と夢の狭間を行ったり来たりしている様だが、時間をかければ普通の生活に戻る事も可能らしい。
それを聞いた俺は、自分の今の気持ちを素直に久徳に話した。
「…いつか…彼女を見舞っても構いませんか?」
その問いに、久徳は少し困った顔をしながら
「…安藤さんのお気持ちはわかりますが…お止しになった方が…」
と止められた。
俺は少しガッカリしながら
「…そうですよね。」
と答えたのだった。
そんな残念そうな俺を見て、久徳がこんな事を言った。
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