本当の恐怖

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無事退院をした俺は、すぐに会社へ復帰した。 あの事件があって、俺の本社移動の話が消えそうになったのだが、前川部長がどうしてもと頼んでくれた結果、無事に本社へ移動が決まった。 そして、今日。 待ちに待った姫にあえる日がやって来た。 俺の入院中、姫の怪我は直り、既に退院していた。 退院した姫は、由香が面倒を見てくれていた。 最後に残ったミルクと共に、由香のアパートに居た。 由香は三枝医院に俺と何度も訪れていた為、三枝医院長とも面識があり、仲が良かった。 姫は、あれだけの大怪我をしたにも関わらず、幸いにも後遺症もなかったらしい。 俺は仕事を終えると、そそくさと会社を後にし、携帯を取り出すと由香に電話を掛けた。 数十分後、俺は由香のアパートの前に居た。 早く姫達に会いたかったので、タクシーを飛ばしたのだ。 ピンポーン♪ ドアに付いている呼び鈴を押す。 「はぁい!」 と言う由香の声と、ガチャガチャと鍵を開ける音がする。 少し間を置いてガチャリと扉が開き、由香が出て来た。 「着くの早かったね!あ、今キャリー持ってくるから待ってて?」 と言い、中に入る由香。 俺はドキドキしていた。
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