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「えっ?」
少しだけ慌てる由香。
俺はそれを見逃さなかった。
「…何か俺に見られちゃいけない物とか…あったりして?」
その問い掛けに、沈黙が続く。
(あ、あれっ?俺、何かヤバい事言った?)
早くも後悔し始めた俺に、由香はニコッと笑い、ペロリと舌を出すと
「部屋の中、掃除出来てなくてかなり散らかってるの!佑ちゃんが見たら驚く位。だから恥ずかしくて…。」
と言った。
その答えに俺は内心ホッとしながら
「そ、そっか!じゃ、今度掃除終えた頃にお邪魔しに来るよ!」
と言った。
その時、キャリーの中で姫と共にミルクまでが外に出してとミューミューと鳴きだした。
(これじゃ、近所迷惑だな)
そう思った俺は、また改めて来るからと由香に言い、姫とミルクを連れ家路に付いたのだった。
「ふぅ~。危ない危ない。」
由香は佑介を見送ると、ドアに鍵を掛けながらそう呟いた。
「あのまま佑ちゃんが部屋に入って来たらどうしようかと思ったわ。」
そう言いながら、部屋へと戻る由香。
戻った部屋は綺麗に片づいている。
全く散らかってなどいない。
由香はその足で、もう一つある部屋へと入っていった。
由香だけの秘密の部屋に…
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