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「これが見つかったら…絶対にヤバいわよね…」
そう言いながら、由香はその部屋の照明をパチリと点けた。
その部屋にあった物とは…
佑介の写真。写真。写真。
壁と言わず窓と言わず、部屋中に佑介の写真が貼ってあった。
しかも最近の物だけではなく、どうやって手に入れたのかどう見ても佑介が中学時代の頃の写真まである。
だが、その大半は隠し撮りの様だった。
その部屋の中で、由香はウットリと写真の佑介を眺めながら
「長い間、ずっと佑ちゃんだけを見つめて来たのよ?佑ちゃんとの約束だけを信じて…だから、お母さんがお義兄ちゃんのお父さんと再婚する時も、私は名字を変えなかった。」
と呟く。
そう、由香の母は秋岡の父親と再婚したのだった。
秋岡とは血の繋がらない兄妹だったのだ。
由香は更に独り言を続けた。
「お義兄ちゃんは、本当に良くやってくれたわ。ま、お義兄ちゃんだって、ずっと好きだった真紀を自分の物に出来たんだから、おあいこよね。」
と言いながら由香はクスリと笑った。
そう、秋岡もずっと昔から真紀を知っていた。
そして、ずっと遠くから真紀を見つめていた。
あの日、ブルーローズで出会ったのは偶然ではなかった
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