心の奥底に眠ってた想い

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窓側の方に行き 顔を良く見る 母の少し 震わせている 細くなった手を 握った トシ…ちゃん… 母の目は 一瞬だけ 私の顔を 見た その目は 濁っていて 脅えているように見えた 私のことを見えているのか わからない まつ毛に目やにが ついていて まぶたに まつ毛が張り付いてる 濡れたティシュで 丁寧に 拭いてあげた 堪えきれずに 泣き出した 丁寧に 顔も 拭いてあげた 【こんな風に  生きていたくなんか  ないよね?  こんな生き方 嫌だよね】 そう言うと 私は ベッドの下に 崩れるようにして座った 兄達の延命しないと言うのが ハッキリ理解できた 母は きっと 早く らくに なりたいのだろう 殺してあげようか… とても恐ろしいことが浮かぶ こんな形で 何も わからず 生かされている この時 本当に 殺してあげたいと思った
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