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『少し、しみるからね』
子供じゃないんだから…
大丈夫だし…
「ッ…」
先生が傷口に消毒液をポンポンとつけるとわずかな痛みを感じた。
「っあ…ごめんしみる??」
麻紀の顔を覗き込む涼太。
『いえ、大丈夫です』
そう…っと言って麻紀の手にバンソーコを貼る。
『ハイッ終わり』
出した物を箱の中にしまい、ゴミを捨てる。
『大事を取って今日はもう帰りなさい』
『担任の先生には言っておくから』
…
やった!!
麻紀は元気な声でハイッ!!と返事をし保健室を出た。
ガラガラ!!
!?
帰ったはずの麻紀がまたすぐ戻ってきたので少しビックリする涼太。
「先生…これ、ありがとうございました」
そう言ってバンソーコを貼ってもらった手をひらひらと振りまた保健室を出ていった。
静まり返った保健室で涼太が白衣を脱ぎ、眼鏡を外す。
クスッ…
『おもしろい子…』
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