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――――……
走り去って行った龍魔はと言うと。
学校を既に通り過ぎて寮に着き部屋にまで戻って来ていた。
龍魔『クソ……最悪だ…俺は!!!リリに……女に八つ当たりしちまった。』
龍魔が歯を食いしばって自分自信の不甲斐なさにイラついていると、自分の部屋にも関わらず声がしてきた。
??『それは最低な事をしましたね若様』
龍魔は自分以外いるはずのない部屋に声が響いた事に驚いたが懐かしい声に気がつき、直ぐに振り向いた。
龍魔『……水月?』
そこには龍魔が異世界に来る前に自分の世話をしていたメイド【水月】が立っていた。そして、その隣には執事の【神谷】もいた。
水月『ぇえ、お久しぶりです若様♪』
紛れも無い、正真正銘の水月がたっていたが腑に落ちない点があったので龍魔は疑問に思い問い掛けた…
龍魔『ホントに水月か?水月なら俺に合った瞬間抱き着いてくるはずだけど…』
水月『ぇえ、ホントなら飛びついて抱き着きたいのですが……女の子に八つ当たりするような今の不甲斐無い若様にはしたくありません。』
水月はきっぱりと言い捨てた。
それを聞いた龍魔は強く歯を食いしばった。
水月『…若様……どうしたんです?元の世界にいた若様はそんなに悩む用な…ましてや八つ当たりなどする人ではありませんでした。』
龍魔『………』
龍魔はしっかりと聞いていたが、何も言い反さなかった。
水月『若様……今の若様は小さく見えます。』
水月は龍魔が話すのを待っていたが……龍魔が口を開く事は無かった。
水月『何で、何も言わないんですか?……な、んで言い返さないんで…すか?』
水月は次第に瞳に涙を溜めていった。
龍魔『俺さ……こっちの世界来て初めて喧嘩で負けたんだ…楓ってやつに』
龍魔『しかも、一方的に』
神谷『若……』
龍魔『悔しかった……すげー悔しかった……いつか倒してやると心に決めた。……今日もさ、魔物を倒しに行く時…足手まといだった……マジで自分が情けなかった……そして女の子に八つ当たりなんか……しちまった。』
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