第四話 再開と先輩と生徒会副会長

20/26
前へ
/155ページ
次へ
しばらく部屋に沈黙が流れた… そして下を向きながら龍魔が口を開いて放った言葉が 龍魔『……帰りてぇ』 その脱落した一言により水月は崩れ落ちた。 龍魔は女の子を泣かせてしまった…と思ってはいたが、既に龍魔にとってそんな事はどうでもいい事だった。 神谷はそんな脱落した龍魔を見て… 神谷『……ふっ』 と笑った。 神谷は呆れた訳では無い… 嘲笑うかのような笑いでも無い… 見下した訳ですら…無い。 神谷『初めての敗北感に潰されましたか若?』 龍魔はピクっと動いたが下を向いたままだった。 神谷『周りの人達が強く……嫌気が指しましたか?若』 龍魔『………ちが』 神谷『心が折れたか?龍魔…』 神谷に若ではなく龍魔と呼ばれて顔を上げた龍魔… 龍魔『俺は』 神谷はさらに台詞を重ねた。 神谷『勝てないなら強くなれ…』 龍魔『!!』 龍魔は目を重いっきり開いた。 神谷『追いつかれたなら力を付ければいい』 いつもとは違う神谷の言葉を聞いて龍魔の手が拳を作った。 龍魔『俺はただ…』 神谷『その拳を誰に向ける?何の為に向ける?』 龍魔『俺はただ…』龍魔は続ける 龍魔『…俺は負けたくねぇんだ。どんな奴にも!!勝って、勝って勝って勝って勝ち進んでいきてぇんだ!!!!』 神谷は龍魔に近づいていき そして龍魔を撫でながら言った。 水月『……あ…』 神谷『だったらそこに、何か理由がいりますかね?若。』 ドクンッ 龍魔は心が跳ね上がった用な気がした。 水月は龍魔の空気が変わったのを感じた。 神谷は龍魔が決意したのがわかった。 龍魔『……ぬぅ、ぁぁああぁあ!!!』 ドスッ 龍魔は拳を自分の顔に振りかざし殴った。 何回も…何回も 水月『わ、若様止めて下さい!!』 神谷『止めるな水月……若のケジメだ』 龍魔は口から血が出て来ても止めなかった。 しばらくして龍魔は神谷に 龍魔『一発頼む』 とだけ言った。 すると神谷は 神谷『私の一撃はデカイですよ?』 と言って龍魔を殴り飛ばした。
/155ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3692人が本棚に入れています
本棚に追加