第四話 再開と先輩と生徒会副会長

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龍魔『え、あ……』 龍魔は言葉を失った。 龍魔とでは無く如月と距離感を保つ用に呼ばれたからだ。 龍魔は何故、動揺して言葉が出ないのか考えてみた…… そして答えが出た。 龍魔は面を向かって、会って間もない人に謝った事が無いからだ…。 その後さらにリリは龍魔を突き放つ様なセリフを放った…。 リリ『私、今忙しいの…用が無いなら出ていって頂戴』 だが龍魔はその言葉が直ぐに嘘だと分かった。 何故なら生徒会室…今、龍魔とリリがいる部屋は【電気】が付いていなかったのだ。 故にリリの顔は見えない。 リリが龍魔が入ってきたのが分からなかったのもそのせいだろう。 龍魔『……』 龍魔は何も言わなかった… 否、嘘だと知って、直ぐに言えなかったのかもしれない。 龍魔は少し考えた結果、ある行動に出た… リリを引っ張り出して屋上に向かったのである… リリ『ちょッ…何!?』 当然リリは動揺し、声を上げる… だが今の龍魔にはお構い無しだ。 龍魔『いいから!!黙って俺に持ってかれろ!!!』 龍魔は、そう叫ぶとリリを引っ張るのをやめた。 その変わりに、リリをお姫様抱っこして屋上まで全力で走り抜けた。 屋上に着いた龍魔は、優しくリリを下ろした。 リリ『…………』 リリは何を言うでもなく龍魔の言葉を待った。 ……ただ、じっと待っていた。 龍魔は一分経ったか否かの所で、空を見上げて口を開いた。 龍魔『俺がリリにした事は最低だ』 いきなり本題に入ったが リリは迷う事無く何の話しか理解した。 ……それは、リリも少なからず龍魔に【お前】と言われた事を気にしていたからだろう…。 いや、もっと深く考えるならば、リリが如月と言った時点で、龍魔の事を気にしていた……のかもしれない。
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