大馬鹿な父、腹黒な母

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庭に着いたと同時に目にはいった光景。 それは一軒家の庭という小さなエリアに不釣り合いな 青々とした太い笹が堂々と突き刺さっているなんとも奇妙な光景だった。 その光景に…俺は… 「どっから持ってきたこのアホンダラァァ!!」 「ごはぁっ!!?」 汗を拭きながら座っている親父に全力で踵落としを喰らわせてやった。 お袋は既に家の中でお茶を飲みながら涼んでいる。 「ま、真!?親に向かってなんて事をするんだ!!?危うく頭がおかしくなるところだったじゃないか!!?」 セリフとは裏腹に頭を軽く撫でながら騒ぐ親父。 仮にも二児の父だというのに、周りの目を全く気にせずに童心丸出しで毎日を過ごしている齡40過ぎの大馬鹿野郎だ。 全力の踵落としを喰らわせた直後のこの再生力と頭がおかしくなるだけというこの強度。 つくづく思う。 気にしたら負けだ、と。  
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