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するとリビングから母親が顔を覗かせてきた。
「二人とも、ちょっといいかしら?」
母親の呼びかけに俺達はリビングの中に入ると
母親と男性が二人して笑顔で左手を俺に見せてきた。
「…はぁ??」
その時俺の頭はパニック状態と呼べる物になっていた。
左手の薬指に輝くリング…それは紛れも無く…
「…エンゲージリング」
そう、婚約指輪とも言える物が光っていた。
これが意味するのは…
「実は再婚したの」
「よろしくね、真羅君」
あは…ははっ…
俺は苦笑いを浮かべるしかなかった
そして横をちらっと見ると女の子が床を睨みつけなから立っていた。
まてよ…この状況からすると、まさかとは思うが
俺は恐る恐る女の子を指差しながら母親に聞いた
「…って事は、この子ってまさか…」
母親は満遍の笑顔で一言
「そう、真君の妹になるのよ、仲良くしないとメッ!だからね」
おぅ…嫌な予想的中っす
「よ、よろしくお願いしますね…お兄様」
「あ、こちら…こそ」
女の子は顔は笑顔だが握手をした手は物凄い力が込められ、俺は必死に我慢をした。
それから俺達はソファーに座り互いに自己紹介みたいな事を始めた。
「僕はライル 黒崎、突然の事だとは思うけど、よろしく頼むよ」
「はぃ、こちらこそです」
黒崎さんか、確か日本とイギリスのハーフって話しだよな、見た感じのまま英国紳士って言葉が似合う男性だ。
「ほら、お前もちゃんと挨拶しなさい」
ライルに背中をポンと押され女の子は俺に目線を合わせ、話し出した。
「…私は、ミリス 黒崎…です、これからお世話になります」
これでもか!っと言わんばかりの作り笑いで自己紹介をしてきた。
しばらく四人で話しをすると、11時を告げる時計のアラームが鳴り今日のところはお開きになり
それぞれの部屋に戻る事になった。
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