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気まずい空気が部屋を支配する中、ミリスが口を開いた。
「い、いつまで私の部屋にいるの!さっさと出て行きなさい!」
っと言われ追い出されてしまった。
俺はとりあえず一階に降りドリンクを飲んで一息ついてると、背後に人の気配を感じ振り向くと
「やぁ、娘が世話になったみたいだね」
黒崎さんが爽やかな笑顔とともに立っていた。
俺達はひとまずソファーに腰掛けた。
「…君に迷惑をかけるね」
いきなり頭を下げられた
「え、何の事です?」
意味が分からず聞き返すと黒崎さんは真剣な顔をし答えた。
「…なにぶん性格がアレだからね」
アレね…確かにいろいろと問題ある奴だと思う
できれば一緒には住みたくはない、命は惜しいのが現状…
けど…母親のあの嬉しそうな顔、あんな母親を見るのは久しぶりだ
父親は俺が生まれる前に他界し、これまで女手一つで俺を育ててくれた
今思えば、苦労ばかりだったろうな…
「大丈夫ですよ、仲良くやってける」
俺はそう答えた。
この人なら母親を幸せにしてくれるだろう
すると黒崎さんは俺の両手を握り笑顔を見せてくれた。
そして俺は部屋に戻りベッドに倒れ込むと隣の部屋の方を見ながら、一つの決意をした。
「…よろしくな…ミリス」
だが命はやらないからな
こうして俺のスリリングではちゃめちゃな日々が始まった訳だ。
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