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また訳の分からない頼みかよ、まぁこれが由月先輩の頼みなら断る事は許されない。
「了解しましたけど、理由は?」
「フッ、答えは明日だ」
そう言うと先輩は部屋を出て行ってしまった。
残された俺と…
「はにゃ?何がどうなってますか?」
憂里は戸惑しかなかった。
それと何故俺がダッシュで生徒会室に向かったかと言うと、先輩は忙しい人なので待たせると
怒られる訳では無いのだが、無言の迫力と言うか…寿命が縮む思いをするのだ、実際過去に先輩を長い時間待たせた人間が
翌日から学園をしばらく休んだと聞いた事もあり俺達、生徒会メンバーは由月先輩を待たせるのは禁止事項となっている訳だ
そして午後の授業が終わり放課後になって、俺は守と一緒に帰宅をする
生徒会が無い日は決まって守と一緒だ、一応言っておくが変な関係とかじゃないぞ
ただ近所に住む幼なじみといった関係だ。
ちなみに守は帰宅部、馬鹿は馬鹿なりに体力だけは人一倍あり、運動部から勧誘を受けているのだが
本人いわく、汗流す暇あったら家で洗濯するわっ!っと訳の分からない事を言い断っているらしい
じつに馬鹿な奴だ。
学園を出てしばらく過ぎてから守は不意に自分の鞄をガサゴソと探り始めた。
「あれっ?おかしいな」
「どうした?」
「ヤッベ、教室に裁縫セット忘れた…すぐ取ってくる」
「お、おい」
守は全力疾走で学園へと戻って行った。
裁縫セットねぇ…
奴が男なのが不思議でたまらない、実は女の子でした!ってカミングアウトされそうで怖い。
「うぇ…リアルにホラーだな」
などとくだらない事を考えてるといつの間にか俺の周りに誰も居なくなっていた
「月島霊園…」
ここは月島霊園、お墓が大量にある場所だ俺の家は霊園の裏なので
霊園を横切った方が近道なのだ、しかし時期外れの霊園は人一人居ない静かな場所だ
あまりに静か過ぎて不気味なくらいだよな
俺は早く霊園を抜けようと思い早足で歩きだした
「………」
「…人?」
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