そして無力を知って

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2週間前。 「おっ、どうした?永井ニヤニヤして。何か良い事あったのか?」 部活が始まってキャッチボールをしだした頃、隣の村松先輩が聞いてきた。 この先輩はとても気さくで、人懐っこい性格の俺は特別可愛いがられていた。 「いやぁ先輩聞いちゃいます?聞いちゃいますか?」 キャッチしたボールを直ぐ様投げ返しながら答えた。 「いいから、さっさと言え。」 「実はいよいよ俺にも彼女ができたんですよ。」 隣から珍しくボールを取り損なった音がした。 「…そうか。」 その時視界に入らなかった為、両隣の先輩が般若のような顔をしているのには気付かなかった…
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