世界が滲んだ

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廊下をどんどん歩いて行って、体育倉庫まで来た。 この時間から体育の準備もなかろうに…。不信に思って聞いてみた。 「あの…」 「ちょっと待って!」 質問しようとしたが、直ぐ様遮られた。 …何か彼女の様子がおかしい。目は泳いでいるし、呼吸が荒い。 最後に思い切り深呼吸をして彼女は言った。 「あのね、もう回りくどい事は言わないから!」 「好きです!付き合って下さい!!」 ……一瞬時が止まった、舞台がエジプトならこの間に何発殴られた事か… とりあえず、一言。 「…ドッキリじゃ無いよね?」 彼女は何もしゃべらずに思い切り首を横に振ってる。 …少し考えて。 「ふつつか者ですが。」 …後になって思うと、もっとロマンチックな言葉は無かったのかと思う。
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