はじまり

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あの人に出会ったのは中学2年の春。 同じ中学に通う私たちは、あの日までお互いを知らなかった。 部活が終わり、真っ直ぐに家に帰る気がしなかった私は、音楽室にいた。 ピアノの前に座り、弾けもしない鍵盤に指を落とす。 ポーン…と低い音が響いた時 「なにしてんの?」 入口に視線を向けると、あの人はニコリと笑って 「ピアノ、弾けるの?」 って、また笑う。 なんてゆーか… その笑顔に胸が高鳴る。 これを人は“一目惚れ”と言うのかもしれない。 .
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