はじまり

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「ねぇ、」 その声に、ハッとして私は立ち上がり 「すいません…邪魔ですよね……」 そう言い、鞄に手を伸ばすと 「大丈夫。居ていいよ。むしろ君のが先に居たんだから、俺が邪魔?」 既に音楽をかけ、上着を脱ぎながら、その人が、そんな事を言うもんだから つい笑ってしまった。 「え?なに?何か変な事いった?」 なにがなんだか分からない様子のその人に 「だって、言葉と行動が合ってない…」 「あ――習慣だから…つい。」 習慣ってことは、いつもココに居るんだ。 こんなとこで何してるんだろう。 そう思ってると 「うん、ゴメン。今日は君が先だし、俺は帰るね」 一人で納得した様子の、その人は脱いだ上着に手を伸ばす 今度は私が 「大丈夫。私が帰ります」 そう言う .
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