はじまり

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鞄を取り、ドアの方へ行くと、その人は私の手を取った 「ここに居て」 そう言い、その人はまたあの笑顔で笑う。 胸が高鳴り、またしても言葉を失いただ頷くしか出来ない私 再びピアノの前にある椅子に座る この音楽室には、使い道の分からない全身鏡が一部の壁にある その鏡に、その人は自分の姿を写し、リズムを取り出し、音楽に合わせて踊りだす あぁ、 使い道の分からないこの鏡には、ちゃんと使ってくれる人がいたんだね そんな馬鹿な事を頭に浮かべ、私はその人の姿をずっと見ていた .
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