第四話

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「ヒーローになってみねえか?」 ヒーロー?ヒーローと言われれば、マンガやアニメ、ドラマの主役を指す というのは常識 そして俺の立ち位置をアニメの中で例えるとするならば、ヒロインとラブラブの主役にヒューヒューなんてベタな野次を飛ばす脇役くらいだろう 名もなき友人A、声優でもなんでもない素人が声を当てても問題ない、そんな扱いだ その俺がヒーロー? 「そ、ヒーロー ほら、マンガとかでよくあんだろ?ピンチの女の子を華麗に救って、そのままゴールイン!ってめでたいほど夢見がちな話」 なるほどよくありがちな話の展開だ だが…… 「そのヒーローってのは、元から度胸があったりするもんだろ 俺にそんなものはな……」 そこまで俺が言った時、バン!と何か柔らかいものを叩く音がした ビックリして音のした方に目を向ける そこには、ハーレーのシートに手を当てた稲妻男がいた 「乗れ」 え?俺は面倒ごとに巻き込まれたくないから行かないと…… 「度胸なら、今からつけりゃあいい」 「ちょっと待て!」 「乗らねえと、ヒくぞ?」 この時俺は気付いた この通路に足を踏み入れた時点で、すでに厄介ごとに巻き込まれていたんだと
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