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「ヒーローになってみねえか?」
ヒーロー?ヒーローと言われれば、マンガやアニメ、ドラマの主役を指す
というのは常識
そして俺の立ち位置をアニメの中で例えるとするならば、ヒロインとラブラブの主役にヒューヒューなんてベタな野次を飛ばす脇役くらいだろう
名もなき友人A、声優でもなんでもない素人が声を当てても問題ない、そんな扱いだ
その俺がヒーロー?
「そ、ヒーロー
ほら、マンガとかでよくあんだろ?ピンチの女の子を華麗に救って、そのままゴールイン!ってめでたいほど夢見がちな話」
なるほどよくありがちな話の展開だ
だが……
「そのヒーローってのは、元から度胸があったりするもんだろ
俺にそんなものはな……」
そこまで俺が言った時、バン!と何か柔らかいものを叩く音がした
ビックリして音のした方に目を向ける
そこには、ハーレーのシートに手を当てた稲妻男がいた
「乗れ」
え?俺は面倒ごとに巻き込まれたくないから行かないと……
「度胸なら、今からつけりゃあいい」
「ちょっと待て!」
「乗らねえと、ヒくぞ?」
この時俺は気付いた
この通路に足を踏み入れた時点で、すでに厄介ごとに巻き込まれていたんだと
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