第四話

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「――っ!」 何か稲妻男が叫んでいる。 だが、生憎ハーレーの爆音と車の騒音でただの上手い口パクにしか見えない。 とうとう、叫ぶのも諦めたのか前方を指差した。 そこには、俺がこんな非凡な体験をするハメとなった元凶である、あのにっくき白いワゴンがあった。 ハーレーはあっという間にワゴンに並んだ。 だが、それもつかの間。ワゴン車は高速を下りるためか、左にウインカーを出す。 高速を下りたら、左右どちらに曲がるかは分からないためなのか、稲妻男はワゴンの真後ろにハーレーをつけた。 高速を下りてすぐの信号は青。 ワゴンはそのまま左に曲がった。 ハーレーも左に曲がる。 だが、この時点で相手も何らか確信を得たのだろう。明らかに運転が荒っぽくなる。 やたらと細い道を選び、くねくねと走りにくい畦道を走ったり…… 稲妻男は走り屋魂が覚醒して楽しそうだったが、後部席の俺はたまったもんじゃない。 現代版ロデオをしばらく味わった。 白いワゴンが廃ビルの前で停止したころには、すでに俺は幽体離脱が出来る確信を持っていた、
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