第四話

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廃ビルはどうやら最近潰れたばかりのハレンチホテルらしかった AVの撮影や若いカップルが金銭節約のためによく利用するのか、ガラスの自動ドアはすでに粉々であったが、ここから見える限りではそれほど汚くもない ほどなくして、白ワゴンから数人の男がどやどやと出てきた やはりというかなんといいましょうか、かなりご立腹の様子である 健康オタクのどこぞのチャラ男ならこんな時、こんなことを言うんじゃないだろうか…… 「オッサンさんたち、カルシウム足りてねえんじゃね?CaだよCa 魚は喉に刺さらない小骨くれえなら、噛み砕いて食え これ、常識でモラルな」 そう、今、この稲妻男がいったような……え? まさか、こいつ…… だが、俺がゆっくりとソクラテスのように丁寧に頭を整理するシンキングタイムすら、相手のオジサン方は与えてくれそうになかった
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