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「おい」
助手席から出てきた、怖い肥えすぎ小汚いの3Kそろったオッサンが、低い声で話しかけてきた
「お前ら、何かようか?」
……そうだった、危うくなぜ自分がここにいるのかを忘れかけていた
出来ることなら、コスモパワーでここにいる俺たちの記憶を消し去りたい
だが、そんな俺の小さな望みなんぞを叶えてやる暇すらないのか、事態はどうも悪い方向へと転がっていきそうだ
「黙ってたって分かるか
なんか喋れよ、ああ?」
思い切り睨まれ、情けないことながら、教室の前に出て夏休みの異様なテンションの中で書いた申し訳程度にすら届かない、たった三行のお粗末な読書感想文を読む中学生のように、俺は緊張と不安でガチガチに固まってしまった
だが、助け舟というかお助けライダーがハーレーから下りて、3K男の正面に立った
「簡単に言えば、悪の手先からいたいけなお姫様を助ける白馬の王子様……って感じ?」
それを聞いた四人の男たちは、真っ青になったかと思うと一瞬でタコのように真っ赤になり、そして最後は明らかにムリヤリ仏頂面を作った
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