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自転車を引っ張り出して、走ること五分
昼時ももう過ぎたとあり、人もまばらで商品も大したものはなかった
とりあえずカップ麺とミニサラダを買い、店外へ出る
これで、完全に財布の中は尽きた
もう、うまい棒も買えねえ
そのまま、家に帰ると、見慣れた背中が玄関の前でうろうろしていた
その肩に手をかける
「何してんだ」
「あ、どっかいってた?」
「質問に答えろよ
俺は昼飯の調達」
神堂の眼前にナイロン袋を突きつけてみせる。
「昼飯なら、言ってくれれば家のレトルト類を持ってきたのに」
「おせーよ……」
コイツの家のレトルトだから、その辺のスーパーに陳列されてるもんとは、わけがちがう
昔、一度高級牛肉入りレトルトカレー食って、感動で涙目になったことがある
そこ、んなわけねーだろ、って思ってるだろ
マジだ
「で、お前の用件はなんだ」
「ああ、いや暇だから」
「お前、友達いねえな」
「お互い様だよ」
ちくしょう
中学の頃から友達といえるやつは、コイツだけというのは寂しすぎるぜ
神堂はみんなに好かれているから、友達でなくともクラスメートに話しかけられていたが
俺は違う
神堂のネクタイと大して変わらない扱いだったからな
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