第一話

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その後、担任以外の教職員(教頭だけだが)の話があり、当然のごとく無事に入学式は終了した そして今、俺は神堂と一年A組に向かっている 神堂というのはイケメンクンのことだ 名字からして一般人の俺とは格が違う 俺の名字は寺田だ タウンページにも山ほどとはいかないだろうが、何軒かは記載されているであろう、ごく一般的な名字だ 「結局、弘人はなんにも聞いてなかっただろ?」 弘人とは俺の名前だ 一般的だろ 俺の名前を弘人と呼ぶのは、家族を除いてコイツと数人の知人だけだ 「無論だ ロトシックスのナンバーを教えてくれるってんなら、喜んで聞くんだがな」 「現金だな…… 当たり前の話っていうのは、何回聞いてもためになるもんだよ」 「世界がみんなお前みたいなやつだったら、戦争もなくて平和なのにな」 「そんな世界はイヤだな…… せめて親友がいないとつまらない」 そんなことを言って俺を見つめてくる だから俺はお前を嫌いになれないんだよ アイツは冗談じゃなく本気で言ってるところが怖い BLの世界に進路を変えかけたことが何度あったか…… 無論、踏みとどまったが
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