第一話

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明日からは神堂病が始まるから神堂と遊べねえなあ、なんて考えてると、自分の順番が回ってきた 俺は実に簡素に決めてやった。 何せ、クラスの半数以上(主に女子)はきいちゃいねえし 俺は趣味も、入部予定の部活もないから、名前と、みんなよろしく~みたいなことしか言ってない 五秒もかからなかったのではないだろうか そんなこんなで再び、ありきたりな自己紹介が再開された 神堂の自己紹介後、女子の多くがテニス部に入部予定、と言ったのは偶然ではないはずだ THE・神堂☆MAGIC そして、自己紹介も間もなく終了という時、立ち上がった女子に興味が湧いた 肩まである髪の毛がキンキンの金髪だが、それ以外は大して派手なところがない女子だ 顔は、目が大きくて色白で、結構可愛いと思う 失礼だが、日本人の金髪というと、どうしても不良とかケバケバしいとか、苦手意識がある だが、その女子にはそんな苦手意識は沸かなかった そして彼女はどこか虚ろな表情で、自己紹介を始めた 「雪村楓 入部、趣味、やりたいことはありません」 なんと、三秒かからなかった 俺より短い みんなよろしく~、とかクラス内である程度溶け込めるような、愛想すらなかった もしかしたら、この時点で俺は割に合わない夢を抱き始めていたのかもしれない――
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