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「誰かピンとくる女子はいたか」
となりで靴を履き替える神堂に尋ねる。
まったく関係ないが、この革靴とやらは重いし足がやたら疲れる
世界のサラリーマンは、こんな物を履いて出勤していると考えると、俺の中でサラリーマン株がグッと上がった
「いたか……と言われれば」
「言われれば?」
「雪村さん、かな」
「え、雪村楓!?」
予想外か、と聞かれればそうでもない
雪村の雰囲気は確かに少し独特だった。
上手くいえないが……こう、どーでもいいかみたいな
「あ……うん、そうだけど……
気になったっていうか、なんだか危なっかしいんだ」
「危なっかしい?」
それはまた、気になるというか、ほっとけないに近いか
だが、恋愛というものは、男性が女性に対して、ほっとけない、守ってやりたいとかいう保護感情から始まる場合が多いと、何かの雑誌の記事で読んだ記憶がある
つまるところ、これが神堂の恋愛が始まる瞬間なのやもしれない
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