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中身は鈴音らしい可愛らしい内装であった
ただ、仕切りにウサちゃんとかは止めてもらいたかったな
こっちはたぬきさんだ
「お、なになに?愛妻弁当?うらやまー!」
「長谷川、飯は自分の席で食え」
シッシッと長谷川を手の甲で追い払う
「冷たいこと言うなよ~
それにホラ」
長谷川が人差し指で俺の背後を指差す
その隙にウサちゃんとたぬきさんを鞄の中にさりげなーく放り込むのも忘れない
俺の背後に立っていたのは営業スマイル以上に業績が上がりそうな、ナチュラルスマイルを浮かべた神堂だった
「僕もいいかな?」
「いいぜいいぜ!飯はみんなで食った方が美味くなるに決まってっからな!
あ、そのほうれん草貰うな」
ここは俺の席だ
「あ、長谷川お前なに勝手に鈴音のほうれん草とってやがる!利子付きで返せ」
「利子って、唾液?」
そう言いながら、我が人生初の鈴音お手製弁当に箸を付けたのは、実の兄である俺ではなく鈴音とは縁もゆかりもないチャラ男となったのだ
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