第四話

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「お前ら笑ってっけど、こっちはすげー苦労してきたんだかんな」 「お前の苦労も東南アジアの貧しい国々にとったら、苦労でもなんでもないぞ」 そりゃそうだけどよーと長谷川は不満そうに2Lペットボトル野菜ジュースを鞄から取り出した おい、お前本当に野菜が好きだったんだな 「野菜好きなんだね……」 神堂も若干引いてる そりゃそうだ、目の前で片手で2Lペットボトル野菜ジュースをがぶ飲みなんて、一生に見る機会なんて滅多にないからな 「んぐんぐ……ぷはー!ったりめーだろ神堂! 野菜がなきゃ、人間いつか体調崩すっからな あ、でもちゃんと肉も食わねえと体も貧弱になるし、米を食わねえと元気でねえ、魚も小骨くらいなら噛み砕いてでもカルシウムとらなきゃ最近のガキはキレやすいかんな バランスのいい食事がバランスのいい身体を作る、これが基礎にして全て!わかったかコノヤロー!」 いつの間にか長谷川は教壇に立ってクラス全員に訴えかけていた クラスの皆も最初は奇異の視線を送っていたが、最後は割れんばかりの大喝采だった 「世の中には健康に気を使うチャラ男もいるんだな……」 「ふふ、そうだね」 昼休みが終わるころ、長谷川は調子に乗って黒板に『成人病を未然に防げ!』とデカデカとチョークを走らせ、講義を始める始末だった
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