第四話

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キリマンジャロで思い出したが昔アイスピックで人の頭をかち割ったって殺人事件がアメリカの方であったな、なんてどうでもいいことはこの際置いといて長谷川に噂の詳細を迫る 「その噂って誰が流したんだ?」 「んなん知らねーよ 噂なんて、水に絵の具落としたみたいにすぐ広がっちまうよ それが最初どこに絵の具を垂らしたかなんてだーれも分かんねえ」 噂ってのは恐ろしいものだ 最近聞いた俺の噂は、この高校の入試の時に小型イヤホン搭載のカツラをつけてリアルタイムに神堂から答えを教えてもらったという、GTOの読みすぎと言わざるを得ない馬鹿馬鹿しいものだった まあ俺の頭脳が芳しくないということだけは、認めざるを得ない真実だが 「その雪村の噂って、どの程度広がってるんだ?」 「あー、もう生徒の半分くらいじゃね?耳にしたことある奴だけなら 女子ってネットワークを広げんのはえーからよ」 生徒の半分……約三百人か そこまでくると最早、噂の回収なんて魔法を使わない限り無理そうだ
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