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「ええ、村の付近に洞窟があるのをご存知でしょうか」
そう言われてこの辺りの地図を思い浮かべる。
この能力がないと行商人なんてやってられない。
「ここに来る途中で小さな洞窟を見かけました」
しかしなぜ商館の人がわざわざ教えてくれようとしているのかわからない。
「今の時間帯に行けばわかりますよ。馬車は預かっているので見てきたらどうですか?」
洞窟に着くと付近は冷えていて寒い。
洞窟の内部から冷たい風がきている。
商館の人が無料で貸してくれたランプに火を灯して洞窟に入った。
洞窟に入ってすぐのところに1mぐらいの正方形の氷が滑車に乗っている。
それをみて納得した。
この付近は暖かい気候である。
しかも冷たい気候が本当にない。
すると氷の需要はどんどん増える。
しかし供給がないためにこの氷の存在を知っている人間だけが得をするのだ。
「誰かいるのでしょうか?」
氷に気をとられ、誰かの接近を許してしまった。
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