155人が本棚に入れています
本棚に追加
ザードは商館の前まで行く。
ちなみに商館と商会の違いは個人で経営しているかしていないかだ。
商館の場合は個人で経営しているために建てるのに莫大な金がかかる。
「何者だ」
傭兵は低い声でザードを睨みながら話しかける。
「実は私この商館でランプを借りまして」
ランプを傭兵に差し出す。
「なら俺が返す」
差し出されたランプを傭兵は受け取った。
この傭兵はさっきの商会が雇って商館に派遣した人間だろう。
商売に疎い発言をした。
それは商人が無料で物の貸し借りをしないということを知らない発言。
馬を取り返すためにも商館の人と話さなければならない。
しかし傭兵のせいで話しができない。
しかしそれは些細な問題ではない。
「実はまだランプの勘定をしていないのですが」
傭兵はその言葉を聞くと自分が勝手に判断してはいけないと思ったらしい。
「通れ」
「ええ、お仕事お疲れ様です」
ザードが商館に入ると店主はすぐに出てきた。
「あれぐらいの関門は突破できると思っていた」
商館の店主は俺からランプを受けとる。
「私は使用料はいらないと言ったんだがな」
最初のコメントを投稿しよう!