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「光っ!」
最初にボールをキープしたのは亮。
亮は一人をステップオーバーというフェイントで抜き去ると光へとパスをだした。
「よっ……と」
ボールを受け取った光は恵まれたる運動能力を駆使してサッカー部顔負けのスピードで駆け出す。
「行かせないっ」
「ハァッ!!」
目の前から一人、そして左側からスライディングしてくる寺田に落ち着きながら光は爪先でボールを浮かせ、そのボールは目の前から来ていた奴の頭上を越えてった。
シャペウ。
元々は「帽子をかぶせる」という意味で、このフェイントは相手が勢いに乗っていれば乗っているほど引っ掛かりやすい。
驚く二人を置き去り、5メートル程までゴールに近づいてきた光はショートを放った。
「おぉ!!」
しかし、それは今まで数多くのショートを防いできたキーパーに決して止められないものではなかったが、想像以上のシュートの強さにキーパーは高く上にボールを弾いてしまった。
本来ならばここで落下地点でお互いが攻めぎ合い、ボールを確保するために奮闘するところだろう。
だが、今回だけはあまりにも相手が規格外すぎた……。
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