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SIDE:晴彦
俺の名前は河島 晴彦。
このどこにでもあるような公立高校に平凡に通う二年生になったばかりだ。
あることを除いては本当に平凡な奴なんだが……。
「悪いな、俺はそうゆうことはしないことにしてんだ。渡したかったら自分で渡してくれ。じゃあな。」
「そ、そんなぁ……」
目の前で涙目になる名も知らない少女に多少の罪悪感が浮かぶがそれを無視するのにはすでに慣れてしまった。
そう、俺が平凡じゃない事。それは何かとモテまくる悪友3人に対してのラブレターがしょっちゅう渡されるって事だ。
初めてラブレターを渡してくれと頼まれたのは小学生三年生の時。
二つ上の五年生の人で、自分の憧れだった人から頼まれたのだ。
『河島君、これを君の友達の浅儀君に渡してほしいの』
『えっ…?えっと………うん』
当時、憧れだった人に呼ばれて有頂天だった俺はその憧れの人から頼まれた事に呆然としたが、あまりよくない頭で理解したんだ。
あぁ、俺はフラれたんだって…。
それからと言うもの、俺にはそんな役目ばかり回ってきてひどい時には毎日だ。
おかげで俺は恋愛恐怖症だよ、畜生。
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