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少女に背を向け、屋上を後にするために扉を開く。
するとそこには、手紙を渡される張本人。倉田 亮が口をニヤけさせながら壁を背に立っていた。
「よう…、女子を泣かしておいてまったく動じないとはさすがハル。残虐だ」
ニヤニヤしながら言う亮の言葉に俺は眉を寄せて口をへの字にすると舌打ちして近づく。ちなみにハルは俺の愛称だ。
「うるせぇよ、そして泣かしてるのは間接的にてめえだ」
そうして、俺はなんの手加減もせずにボディブローを放つ。
「なんの事かわからんなー。泣かしたのは事実だろう?」
それをひょいと軽く跳んで避ける亮。だが……あめぇ。
「なっ……」
跳んだと同時に亮の足に自分の足を引っ掛ける。
こんなボディブローを避けるなんて最初っから計算のうちにはいってるんだよ。
なんとか足を外そうとする亮に笑みを浮かべながら思いっきり払う。
「くっ……!」
空中でバランスを崩した亮が地面に倒れると同時に俺はマウントポジションをとることに成功した。
「お、落ち着けハル。話せばわかるだろう?」
「いんや~~?わかんねぇな、てめぇみてぇなクソ野郎の言葉なんて」
腕を振り上げると同時におもしろいほど顔を青くする亮に怒りの拳を叩きつけた。
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