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「ったく……」
亮を俺裁判で死刑にしたあと、俺は靴を履き替えて校舎を出る。
すると、校門の一角に人だかりができているのを発見した。
「…………はぁ」
すでにそれも馴れ親しんだ風景……親しみたくはなかったが。
「光く~~~ん!!今日遊びに行こうよ~~!」
「何アンタ抜け駆けしてんのよ!光君、私とカラオケ行かない?行くならもちろん奢っちゃうよ!」
キャーキャーガヤガヤ
次々に叫ぶ女子達の中心にいる人物、金髪に眼鏡をかけた童顔男。
「今日はやっと燈湖ちゃん(CN)とデートの約束ができたんだ!道を通してくれぇ!!」
学園でも1、2を争う優秀生徒+モテ男、そして俺の悪友の一人。
浅儀 光だ。
コイツには一つだけ欠点がある。
「いやーー!燈湖って誰なの光君!」
「教えてよ、光君!!」
ちなみに燈湖なんて言う知り合いは光にはいない。
つまり、空想上の人物。ゲームの中の人物なのだ。
そう、コイツは運動神経抜群、天才、イケメン、モテるという完璧超人なのにリアルで恋をすることができないオタク野郎なわけで…
「神様は理不尽だよな……」
思わずそう呟いた俺は悪くないと思う。
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