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「はぁ……助かったよ。ありがとう、亮」
「とりあえず、何か奢れ」
「だよねぇ……」
そんでもって、2分ぐらいたった後に亮が光の首根っ子を引っ掴んでズルズルと引きずりながら出てきた。
気持ち光が意気消沈しているがもちろん俺は無視。
「遅せぇよ、いったい何分人を待たしたら気が済むんだよ光」
「だったらハルが僕を助けてくれればよかったじゃないか!!」
俺の言葉に引き摺られたまま抗議の声をあげる光。
「うるさい、このモテ男。ちょっとはモテない奴の事を考えろよ」
「リアルでモテてもうれしくないよ。それより僕はこれから燈湖ちゃんとのデートがっ!?!?」
すべてを言い切る前に脳天目掛けて踵落とし。一撃のもとに光の意識を無情にも刈り取った。
「うぜえ、マジうぜえよコイツ。とりあえず髪を文字に剃ってやるからバリカンよこせ」
「通常型からスティックがあるが…「スティック」……わかった」
しばらくカバンをあさったあと期待どおりに長細いバリカンを取り出した亮から受け取って電源をONにする。
ジジジジジジジジジジッ!!
激しく振動して出てくる音にわずかに顔をしかめるが今は気にしない。
「リクエストする文字は?」
「毛」
「じゃあ、恥で」
笑顔でリクエストしてくる陽壱に若干頬を引きつらせる。
「陽壱採用」
が、やめないのが俺だ。
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