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第1話~オカルト探偵・KAMAJI登場!!~
フーーー…
煙草の煙りが薄暗い部屋に広がり、空気循環の為に天井に設置された5枚羽式のファンが、それを掻き消す。
私の名前は八木鎌司(やぎかまじ)。
私立探偵を営んでいる。
そしてここは、私の住居兼、事務所。
港にある倉庫を丸ごと一つ借り切って使用している。
年中、潮風に晒されて湿気てはいるが、都会の喧騒が苦手な私には居心地のいい空間だ。
『今日も暇だな、ハマー。』
私の横で寝そべっている愛犬であり、パートナーの犬に話し掛ける。
ハマーはチラリと私を見ると、「何を今更…」とでも言いたげに、私を無視し、再び目を閉じる。
皆は何故、犬がパートナーなのかと、不思議に思うだろう。
だが、私が受ける依頼には、通常のそれとは異なる特殊なものがある。
それらの依頼をこなすうえで、彼は必要不可欠な存在なのだ。
彼との出会いには、少しばかりエピソードがあるのだが、それはまた次の機会にでも話すとしよう。
「先生、お仕事ですよ。 依頼人の方がみえました。」
助手のパンくんがドアを開け、部屋に入ってくる。
笑顔の素敵な可愛らしい女性で、いつも場を和ませてくれる。
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