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あれから二週間の時間が過ぎた。
聖麟高校は謎の集団感染症とマスコミで話題を呼び、中枝の逮捕によって更にマスコミを煽る結果になっていた。
道の駅と建築現場のすり替えも何日かの話題を呼んではいたが、すぐに忘れられることになる。
水希はあのあと気を失い、昏睡状態となって二週間。今だ眼を醒ますことは無かった。
あの日はいろいろなことが水希を心身共に傷付けていた。
また、冬慈の結界無しで変身し、大技を使っていたのだから無理も無い。
斉天大聖の力は必要以上に水希の身体に負担をかけてしまう。
ベースの肉体は人間のままだからだ。
だからこそ冬慈が結界を貼ることで、水希の負担を減らすことが出来た。
水希の部屋から美紀が出て来る。
「水希はまだ?」
美紀は静かに首を縦に振る。
美紀の部屋の前には、
流、冬慈、ナタク、久美が、その後ろに心配そうに座る瑠美と紀代美がいる。
園の他の子供達も皆心配していた。
「久美ちゃん、水希ちゃんは私が見てるから学校に行きなさい…。
今日から学校は再開でしょ?」
「…はい…。」
「瑠美ちゃんも紀代美ちゃんも一緒にね?」
「私達は水希が起きるまでここにいます!」
「水希ちゃんに酷いことしたから…謝りたい…。」
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