一日目

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そよそよと心地好い風が頬を撫でる。そのまま暫く俺は口を軽く開きぽけーっとしていた。 はたから見ればニートか登校拒否者、リストラされた奴のどれかに見られるだろう。 実際、多少の登校拒否願望はあったりするが。 何だかボケッとしているのに、やっぱり変なところで頭だけは冴えているようで、まるで走馬灯のように杏とのこの公園での思い出のフィルムを頭から目を通して映し出す。 ただ二人で話をしに来たりもしたし、花見にだって来た。 夏には祭だってあったし、冬は雪だるまを作りにきた。数日で溶けちゃって、杏は何故か爆笑してたけど俺は俺に似せられて作った雪だるまの顔が不細工に溶けた様を見て、それなりにショックを受けた。 でもやっぱり最後は二人で笑った。来年も作ろうねって言ったのにな。 果たせない約束なんてするもんじゃなかった、ただ虚しくなるだけだ。 何で、どうして、でも、が堂々巡り。 考えても仕方ないなんてことはない。 俺はもう考えることしか出来ないから。  
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