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そろそろ違う場所に移動するかと俺は腰を上げた。
汚れてはないだろうがつい座って立った時の癖で、手の平でぱっぱと尻を軽くはたく。
不意に下の川原から小さい子供の声がした。どうやらそろそろ人が集まってきそうだ。
ちょっと興味がわいてちらっとみてみれば母親と三歳くらいの女の子がいた。女の子は水に浮いた花びらが気になるのか、単純に水遊びしたいのか、手でばしゃばしゃと水を弾いている。母親は女の子が川に落ちないように屈んで、後ろから女の子の腰に腕をぎゅうっとまわしていた。
そんな光景に少し顔を緩ませて、さて帰ろうかと顔を上げる。
「っお……」
風がいきなり強く吹いた。
反射的にゴミが入らないように目をつぶり下を向く。
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