音楽室

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「えーと、ベートーベンの肖像画はあれだ」 大悟が壁一面に並んだ肖像画🎩の一枚を指差す。 「違うよ、あっちだ」 宏人が指差す。 「…馬鹿。大悟が指差してんのはシューベルト、宏人が指差してんのはバッハだ」 「本物はあっち」 古い壁掛の振り子時計。 そのすぐ右に、ベートーベンの肖像画🎩が飾られていた。 振り子時計が静かに揺れる。 「笑ってないじゃん」 「まぁ待て。こいつは九時丁度、用務員さんの見回り時間になるらしい」 懐中電灯の灯りを文字盤に移す。 「あと十分…」
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