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夜八時。
夏といってもさすがに真っ暗だ。
星丘小学校の正門前に五つの影。
「ゾクゾクするなぁ」
大悟は楽しそうに後者を見上げた。
まずは門を通らなければいけないが、内側から錠がかかっている。
乗り越えてもいいが、綾は登れない。
そんな時は
「良紀」
「…ん」
良紀はひらりと門を越えて反対側におり、ピンを取り出して錠前に差し込みカチャカチャしだした。
カチン
三十秒足らず、あっさりと鍵は開いた。
良紀の特技・鍵開け
良紀の親は色々と鍵を掛けるが、その鍵をなくし、良紀はそれを開け続けていたおかげですっかり十八番になった。
「よい子は真似してはいけませんよ」
ま、何にせよあとは用務員さんに見つからないように行動するだけ。
「じゃ、行きますかね」
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