あの日見た空が、赤かった理由。

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「おばあちゃん、そろそろお家に入らないと風邪引いちゃうよ?」 孫娘の可愛らしい声で、頭が現実に引き戻された。 何だか、随分と懐かしい事を思い出していた気がしたのだけれど。 「ほら見て、もうお日様も沈んでいくよ。真っ赤ですっごく綺麗だよ」 気付けばもう夕方。 ぼんやりと一日を過ごしてしまうなんて、本当におばあちゃんになってしまったんだなぁ。 もうすぐ、夜になる。 空一面が真っ暗になって、キラキラと飾り付けられて……。 「おばあちゃん?何で泣いてるの?何処か痛いの?」 何を当たり前な事、思っていたんだろう。 何を思って私は……僕は、今涙を流したんだろう。
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