二つの夢。

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姉さんはスゴく優しい人で、憧れの存在だった。 生まれてすぐに両親を亡くしていた僕にとって、唯一の肉親であり、家族であり。 僕もミネアも姉さんが大好きで、いつも二人で取り合いをしていたくらいだ。 「……それでね。夜には人の願いを叶えてくれる不思議な力があるんだって」 あの日も、姉さんの話をまともに聞かず、どっちが隣に座るかとかくだらない事でミネアと喧嘩してたっけ。 ああ、本末転倒。 「ちょっと二人とも、ちゃんと聞いてる?」 「あ、え、もちろん」 「つ、つまりあれでしょ?夜は、その……ね」 今考えれば、この時もっと話を聞いておけば良かったんだ。 そうすれば『夜』に関する情報や、お姉さんが通った道も分かったかもしれないのに。
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