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槙野さんとホテルに行ったのが金曜日。
土日をまたぎ、月曜日はとても気が重たかった。
学校に行けば千佳がいる。
あの、般若のような顔をしていた千佳の顔が忘れられずにいた。
千佳とは学科が違い、昼まで会うことはない。
午前中はずっと千佳のことが気になり、授業に集中できずにいた。
そして昼休み、あたしはいつもどおり学食へ向かう。
「…」
「…」
学食の入口の前に立っていたのは千佳だった。
ヤバイ、殺られる。
「千佳…怒ってる、よね?」
「…財布貸して」
「はっ、はい」
逆らうこともできず、あたしは千佳に自分の財布を手渡した。
千佳は財布を持ちながら、食券販売機の前に立った。
「…A定でいいでしょ?」
「あ、うん」
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