244人が本棚に入れています
本棚に追加
「やっとついたな…」
アクセルとロクサスは草原を抜け、一番近い街に到着していた。
「とりあえず、腹がヘったな」
「なんか食うか?」
「ロクサスお金あるの?」
「…」
「…」
「…歩きましょうか」
「そうしましょう」
空腹を抑えながら、ひたすら歩き続ける2人。
「…あれ?」
しばらく歩くと、不意にロクサスが歩みを止め、街中をキョロキョロと見回し始めた。
「どうかしたか?」
「ここ…どっかで…」
「は?」
「ここ、見覚えがある。
多分一回来たことがあるんだと思う」
「そんなはず無いだろう?
お前はもともと「外」の住人だ。
中の世界の街並みを知ってるわけ…
…まさか」
「ここって…」
2人が同時に声を出そうとしたその瞬間…
「…ロクサス…君?」
不意に、聞き覚えがある声が後ろからロクサス呼び止めた。
振り向く。
2人の表現が、明らかに驚きに変わりそれが徐々に喜びの表現に変わっていく。
ロクサスは、ゆっくりと歩き始め、そっとその人物の前に立った。
「…久しぶりだな。
…ティナ」
最初のコメントを投稿しよう!