最愛の君へ

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「やっとついたな…」 アクセルとロクサスは草原を抜け、一番近い街に到着していた。 「とりあえず、腹がヘったな」 「なんか食うか?」 「ロクサスお金あるの?」 「…」 「…」 「…歩きましょうか」 「そうしましょう」 空腹を抑えながら、ひたすら歩き続ける2人。 「…あれ?」 しばらく歩くと、不意にロクサスが歩みを止め、街中をキョロキョロと見回し始めた。 「どうかしたか?」 「ここ…どっかで…」 「は?」 「ここ、見覚えがある。 多分一回来たことがあるんだと思う」 「そんなはず無いだろう? お前はもともと「外」の住人だ。 中の世界の街並みを知ってるわけ… …まさか」 「ここって…」 2人が同時に声を出そうとしたその瞬間… 「…ロクサス…君?」 不意に、聞き覚えがある声が後ろからロクサス呼び止めた。 振り向く。 2人の表現が、明らかに驚きに変わりそれが徐々に喜びの表現に変わっていく。 ロクサスは、ゆっくりと歩き始め、そっとその人物の前に立った。 「…久しぶりだな。 …ティナ」
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